株主および投資家の皆様へ

 2018年度の通期業績および2019年度の通期業績見通しにつきまして、ご説明申し上げます。

 

 当連結会計年度における当社グループを取り巻く世界経済は、当連結会計年度の前半は米・中・欧において底堅い成長が続きました。しかし、後半には、米中貿易摩擦、中国経済の減速、英国のEU離脱問題に伴う経済混乱の不安などが要因となり、景気は減速しました。国内においても、当連結会計年度の前半は、景気はゆるやかに回復しましたが、後半は、輸出が低迷するとともに、設備投資の伸びも鈍化し、力強さを欠きました。

 このような環境のもと、当社グループは、「フィルム&コーティング」、「モビリティ」、「ヘルスケア&ウェルネス」を成長分野と位置づけた「2018年中期経営計画」をスタートさせました。初年度となる当連結会計年度は、特に、「フィルム&コーティング」において、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャイン SRF”やセラミックコンデンサ用離型フィルムの販売を大幅に拡大しましたが、一方で、原燃料価格変動の影響を大きく受けました。

 また、火災事故により、エアバッグ用原糸の製造設備などが焼失したため、当該原糸の代替品調達に関連する費用など138億円を特別損失として計上しました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は前年度比56億円(1.7%)増の3,367億円となり、営業利益は22億円(9.2%)減の217億円、経常利益は同26億円(12.9%)減の178億円、親会社株主に帰属する当期純損失は6億円(前年度は親会社株主に帰属する当期純利益130億円)となりました。

 

 2020年3月期の事業環境につきましては、世界経済は、米中貿易摩擦、中国経済の減速、英国のEU離脱問題に伴う経済混乱による不安が依然として懸念材料となり、成長が鈍化すると予想されます。国内においては、内需は堅調も輸出は伸び悩み、景気の回復基調は弱いと予想されます。また、原燃料の価格動向や為替変動に引き続き留意する必要があります。

 

 当社グループは、こうした事業環境を踏まえて、『順理則裕』(なすべきことをなし、ゆたかにする)の企業理念のもと、「安定性」と「成長力」を備えた強い「良い東洋紡グループ」をめざします。そして、短期的な課題に取り組みつつ、中長期的な課題への取組みや企業風土改革などの事業基盤づくりも進めていく、という考え方「1/3思考」のもと、「フィルム&コーティング」、「モビリティ」、「ヘルスケア&ウェルネス」の各成長分野において、製品開発、事業拡大を推進します。

 これらの取組みを通じて、社会的課題の解決に貢献するとともに、経済的価値の向上を図り、企業価値を高めていきます(CSV:Creating Shared Value)。

 

 2020年3月期の連結業績は、売上高3,500億円(2019年3月期比133億円増)、営業利益220億円(同3億円増)、経常利益180億円(同2億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益170億円(当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失6億円)を予想しています。

 

 当社は、株主のみなさまへの利益還元を最重要事項の一つと認識しています。安定的な配当の継続を基本方針としつつ、持続性のある利益水準、将来投資のための内部留保、財務体質の改善などを総合的に勘案のうえ、総還元性向(※)30%を目安として、自己株式の取得を含めた株主還元を行ってまいります。当期の期末配当金は、1株当たり40円とさせていただく予定です。また、次期の期末配当金につきましては、現時点では1株当たり40円とする予定ですが、上記の方針を踏まえ、今後検討を行ってまいります。

(※)総還元性向=(配当金支払総額+自己株式取得総額)/親会社株主に帰属する当期純利益

 

株主および投資家の皆様におかれましては、引き続きご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。

                            2019年5月