株主および投資家の皆様へ

 2024年度第2四半期(中間期)の業績および通期業績見通しにつきまして、ご説明申し上げます。

 

 当中間連結会計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、米国では、物価上昇が鈍化し政策金利が引き下げに転じる中、経済活動は個人消費に支えられ底堅く推移しました。中国では、不動産不況の長期化や消費の低迷など内需の不振により、景気は弱い動きが続いています。国内においては、政策金利の引き上げが実施される中、インバウンド需要の増加や設備投資の拡大により、景気は緩やかに回復しました。

 

 こうした事業環境のもと、セラミックコンデンサ用離型フィルム、包装用フィルムは、荷動きは緩やかに回復しましたが、本格的な需要の回復には至りませんでした。一方、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用されるVOC回収装置、中東向け特化生地は堅調に推移しました。

 

 以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は前年同期比97億円(4.9%)増の2,092億円となり、営業利益は同46億円(193.5%)増の69億円、経常利益は同21億円(206.5%)増の32億円、親会社株主に帰属する中間純利益は、同19億円(94.3%)減の1億円となりました。

 

 今後、国際情勢不安定化による原燃料価格の変動、中国や米国などの景気動向が、事業環境に影響を及ぼすことが予想されます。当社グループにおいては、堅調な需要が続く“コスモシャインSRF”や、今後回復が予想される包装用フィルムやセラミックコンデンサ用離型フィルムの販売拡大を図ります。また、稼ぐ力を取り戻すために、「価値に見合ったプライシングの徹底」、「要改善事業対策」、「成長投資の確実な回収と新の創出」、「投資、経費の絞り込み、コストダウン」を進めてまいります。

 

 このような状況下において、2025年3月期の連結業績は、2024年5月に発表しました、売上高4,350億円(2024年3月期比207億円増)、営業利益170億円(同80億円増)、経常利益115億円(同45億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益26億円(同1億円増)の予想を据え置くことといたします。

 

 当社は、株主の皆さまへの利益還元を最重要事項の一つと認識しています。剰余金の配当に関しては、持続性のある利益水準、将来投資のための内部留保、財務体質の改善などを勘案しつつ、安定的な配当の継続を基本方針としています。2025年3月期の期末配当金につきましては、現時点の通期業績予想に基づき、前期と同様の1株当たり40円を予想しています。

 

 株主および投資家の皆様におかれましては、引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

2024年11月

東洋紡株式会社         
代表取締役社長 兼 社長執行役員